犬のヒゲは、被毛よりも太くて長く一般的には、触毛や洞毛と呼ばれます。
触毛は、哺乳類の多くで触覚という五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のひとつの感覚機能に分類されています。
触毛を触覚としての役割としているのは、猫やネズミ、アザラシなどが有名ですが他にも触毛をもつ動物は多いです。
実際、犬のヒゲ(触毛)にはどんな役割があるのでしょうか?
犬のヒゲについてまとめてみました。
ちなみに人のヒゲは体毛の一種ですので、当然ながら触毛としての機能はありません。
犬のヒゲには部位ごとに色々な名前がついている
犬のヒゲは、全ての犬種に存在します。
厳密に分類するとこれだけの種類があります。
- 眼窩上毛(がんかじょうもう)
- 頬骨毛(きょうこつもう)
- 頬毛(きょうもう)
- 上唇毛(じょうしんもう)
- 下唇毛(かしんもう)
- オトガイ毛
- 喉頭毛(こうとうもう)
- 耳毛(じもう)
口の周りだけでも多くの種類があるのがわかると思います。
犬のヒゲの主な役割
犬のヒゲは、ケラチンという人間の髪や爪と同じ成分でできています。
根元には立毛筋という筋肉があり、被毛よりも硬く皮膚の深いところから生えていて、感覚神経が集中しています。
そのため、何かが近づいたり、空気の流れなどを敏感に反応し、触れる前に近くに何かがあるのを察知することができるのです。
オオカミから派生した野生時代の犬は、狩りをして生活していました。
ヒゲは、獲物を捕獲するときや、天敵からの早期警戒装置の役割を果たし、暗闇でも目の不自由な人が杖を使うような感覚で、敏感に反応していたそうです。
現在の犬のヒゲは、感覚器としての機能はほとんどなくなったと言われていて、体調とも関係がなくヒゲは切っても生活に支障はないという意見が大半です。
犬のヒゲの生え変わりと成長過程での違い
犬のヒゲは、一生伸び続けるわけではなく、ある程度伸びると生え変わります。
黒いヒゲの犬を飼っていると、換毛期などで掃除をしていると、黒くて立派なヒゲが落ちていることがあります。
個体差はありますが、ヒゲは3~6ヵ月で抜けて生え変わると言われています。
犬のヒゲの色は、同じ犬種でも白いヒゲから黒いヒゲまでさまざまです。
これは被毛の色が遺伝子で決まるのと同じでDNAによって決まります。
子犬の頃のヒゲが真っ黒だったとしても年齢を重ねるごとに徐々に白が混ざるように変化していき、老犬になると「白髪のヒゲ」になることが多いです
ちなみに、最初から白いヒゲの場合は、白いままで変化はありません。
子犬のヒゲがとても柔らかくて軽い毛質で、成犬になるにつれ太くて長く変化していきます。
ヒゲの形で今の犬の気持ちがわかる
犬のヒゲは、ヒゲだけを見ても気持ちを読み取ることは難しいですが、喜怒哀楽の表情を表す表情筋という筋肉と連動しているので、目や口の動きと合わせて読み取ることができます。
うれしい時や機嫌が悪い時に観察してみてください。
きっとこんな形になっているはずです。
楽しいときのヒゲの形
楽しいときの表情は口角が上がり立ち耳の場合は、耳もピンと立ちます。
一緒にヒゲも上がるのでわかりやすいと思います。
リラックスしているときのヒゲの形
落ち着いてリラックスしているときは、耳や口角が下がりヒゲも一緒に下がります。
楽しいときとそこまで変わらないです。
怒っているときのヒゲの形
犬は怒っているとき、口を閉じ、耳を斜め後ろに引きます。
髭も後ろのほうに張り付くようになります。
困っているときのヒゲの形
犬は困ったとき、眉毛の位置が下がり耳も後ろに倒れます。
髭も、同じように後ろに倒れます。
怖がっているときのヒゲの形
怖がっていたり困っているときは特に、顔がこわばり口をつぐみます。
また耳もうしろに倒れて、ヒゲも頬に張り付くようにうしろに倒れます。
さいごに一言
最近は、愛玩犬などの室内犬は、ヒゲの機能は退化したので必要ないという意見がほどんどです。
しかし、犬のヒゲを軽く触ってみるとわかりますが、犬は、触られたほうの逆を向きますし、触られた側の目を閉じて嫌がります。
しかも引っ張ると凄く痛がたり怒ります。
必要ないと言われているものが、退化もせずあんなにしっかりと奥深くから生えているのも不思議です。
しかも、トリミングなどでバッサリと切られると不安になって犬にはストレスだと指摘する獣医さんの意見もあります。
敏感な部分なので一理あるような気がしますが、愛犬に確認してみることができません。
ヒゲはあると精悍に見え、カットするとやさしい顔に見えると言われていますし、ドッグショーなどでは切る場合ほとんどですが、それこそ人間のエゴのような気もします。
犬の部位のことをもっと知りたいときはこちらからどうぞ。
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