犬やオオカミにまつわることわざ一覧~類語や対義語や例文、英語も紹介

いぬのことわざ 犬も歩けば棒に当たる

ことわざは、普段の会話の中で何気なく使ったりもしています。
そもそもことわざ(諺)とはなんでしょうか?

現在は、ことわざや故事成語がごっちゃになっていますが、簡単に言うと、概ね昔の生活での教訓や指針など、日常的な出来事を比喩的にたとえながら、先人が残してくれ長年受け継がれている格言のような言葉のことです。
経験したものを将来の糧とするものから、反面教師的なものまで、意味を知るとなるほどと感心する表現が多いです。

動物に例えられたりすることわざも非常に多く、『猿も木から落ちる』や『猫に小判』など誰もが知っている有名なものや、親子の例えとして『蛙の子は蛙』と『鳶が鷹を生む』という正反対の意味になることわざななど、まざまなことわざが現在も使われています。

犬もその例にもれず、多くのことわざが、現在まで受け継がれています。
そんな犬にまつわることわざを意味も含めて紹介します。

 

犬のことわざは世界中に存在する

犬は、1万年以上前から世界中で人と共に生活してきました。
犬にまつわる昔話も『忠犬ハチ公』や『フランダースの犬』など忠実な犬を題材にした物語が多く存在します。

ことわざに関しても、もちろん日本に限らずに世界中にとても多く存在します。
英語にも「let sleeping dogs lie」という、直訳すると「寝ている犬はそのままにしておけ」という意味ですが、「触らぬ神に崇りなし」のような訳語になる有名な言い回しがあります。

古い中国の出来事である故事や逸話もたくさん日本にわたってきましたし、日本でも昔から人々の間で言いならわされた、風刺や教訓など、まさに言い得て妙な表現も多くあります。
犬にまつわることわざも非常に多く存在します。

 

犬のことわざ一覧

犬のことわざや中国の故事などをまとめました。
犬と狗は、同じイヌで意味にそれほど違いはありません。
古代中国では犬の子供を狗と呼び、成犬になると犬と呼んでいたそうです。
ちなみに、現在の中国では、主に盲導犬や警察犬などに犬を使い、飼い犬には狗狗や名前と狗などで呼ぶそうです。

同義語や対義語、よく似た英語のことわざ、例文も合わせて載せています。

五十音順です。
あなたは、いくつ知っていますか?

 

あいうえお

 

 

オオカミ(狼)のことわざ一覧

オオカミのことわざ一覧

犬の先祖のオオカミのことわざもも紹介します。
犬と違って、人には飼われずに、群れで生活していたオオカミ。
犬とは違った表現や意味になるオオカミにまつわることわざです。

狼に衣

(おおかみにころも)
衣服が体に不似合いで、だらしのないようす。
凶悪な人間が、表面だけ慈悲深い人間のように見せかけるたとえ。
【類義語】
虎にして冠する者
【英語】
when the fox preaches take care of your geese
(キツネが説教する時は、自分のガチョウに気をつけよ)

餓狼の庖厨を守る如し

(がろうのほうちゅうをまもるごとし)
【後漢書】
「餓狼の庖厨を守らしめ、飢虎に牢豚を牧わしむ(飢えた虎に台所を守らせる)」
飢えた狼に台所を守らせるという意味。
大切なものを最も危険な人物に守らせることのたとえ。
または、不適任であること、矛盾していることのたとえ。
餓狼=飢えた狼、庖厨=台所
【類義語】
猫に鰹節を預ける。
盗人に鍵を預ける。

豺狼路に当たれり安んぞ狐狸を問わん

(さいろうみちにあたれりいずくんぞこりをとわん)
【後漢書】
「後漢の時代に地方巡察を命じられた張綱が、地方よりもまず中央の大将軍、梁冀兄妹の専横を除くことのほうが先だという弾劾文を皇帝に奉ったときのことば」
山犬やオオカミが行く手にいるときは、まずそれを退治しなければいけないので、キツネやタヌキのことなど問題にしてはいけないという意味。
大悪人が重要な地位にいて権力をふるっているときは、その下の小悪人などは、後回しにしてまずは大悪人を除かなければいけないというたとえ。
豺狼=山犬と狼、ここでの意味は中央にいる大悪人。
狐狸=キツネとタヌキ、ここでの意味は地方の小悪人。

前門の虎、後門の狼

(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)
【趙雪航評事】
表門からの虎の侵入を防いだと思ったら、裏門からすでにオオカミが侵入していたという意味。
ひとつの災難を逃れても、さらにまた、新たな災難が降りかかってくることのたとえ。
【類義語】
一難去ってまた一難。
背水の陣。
【英語】
between the hammer and the anvil.
(ハンマーと鉄床の間)
A precipice in front, a wolf behind.
(前に絶壁、後ろに狼)

虎狼より人の口恐ろし

(とらおおかみよりひとのくちおそろし)
虎やオオカミからは逃げることはできるが、人のうわさや悪口から逃げたりしたらやっぱり本当だと言われかねない。
蔭口や中傷から身を守ることは難しいという意味。

春の雪と歯抜けの狼は怖くない

(はるのゆきとはぬけのおおかみはこわくない)
春の雪は降ってもすぐに溶けてしまうし、歯の抜けたオオカミでは噛みつかれることもないから、どちらも怖くないという意味。
【類義語】
春の雪と叔母の杖は怖くない。

羊の番に狼

(ひつじのばんにおおかみ)
きわめて危険なこと、間違いがおきやすい状態のたとえ。
または、非常に残酷なたとえ。
【類義語】
猫に鰹節。
狐に小豆飯。
盗人に鍵を預ける。
盗人に蔵の番。

羊をして狼に将たらしむ

(ひつじをしておおかみにしょうたらしむ)
【史記】
「漢の高祖のとき、謀反を鎮圧するため、病気中の高祖は、太子を自分の代わりに出撃させようとした。
そのときに、四人の老賢人が高祖を諫めて、「今、太子をして之に将たらしむるは、之羊をして狼に将たらしむるに異なるなし(今太子にかれらを率いらせるのは、弱い羊に強い狼の指揮をとらせるようなものである)」」と言ったという。
力の弱い者を強兵を率いる大将にすることのたとえ。

狼子野心

(ろうしやしん)
【春秋左氏伝】
狼の子は、人間に飼われても野生の心を失わず、いつまでも凶暴で人には懐こうとしないという意味。
性質が凶暴で教化することができない者のたとえ。
または、凶暴な人間が野心を抱くことのたとえ。

 

出典の意味

【故事成語考】
【春秋左氏伝】孔子の編纂と伝えられている歴史書「春秋」の代表的な注釈書の1つ。
【趙雪航評事】中国の元代の学者・趙雪航(趙弼)の記した書。
【世説新語】中国南北朝の宋の劉義慶が編纂した、六朝時代の逸話集。
【古列女伝】中国前漢の劉向によって撰せられた女性の史伝を集めた歴史書。
【後漢書】中国後漢朝について書かれた歴史書。
【金楼子】中国南北朝時代、蕭繹が著述した書。
【孔子家語】孔子一門の説話を蒐集したとされる古書。
【柳宗元】中国中唐の文学者・政治家。
【戦国策】前漢の劉向の撰になり、戦国時代の遊説の士の言説、国策や逸話を国別に編集しまとめ上げた書物。
【文選】中国南北朝時代、南朝梁の昭明太子によって編纂された詩文集。
【史記】中国前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された中国の歴史書。
【神仙伝】中国の西晋・東晋時代の葛洪が著したとされる書。
【老子】中国春秋時代の思想家。
【楚辞】中国戦国時代の楚地方に於いて謡われた詩の様式。
【蘇軾】中国北宋代の政治家、詩人、書家。
【新序】前漢の劉向(りゅうきょう)による故事・説話を集めた書物。
【潜夫論】中国の政論書。10巻36編。後漢の王符著。

犬のことわざや慣用句、故事成語の情報は、ネットからではなく、【新明解故事ことわざ辞典】や【新明解故事ことわざ辞典】などの辞書や参考書を中心にしてまとめました。

 

さいごに一言

いくつ知っていましたか?
「犬猿の仲」「飼い犬に手を噛まれる」や「負け犬の遠吠え」など有名な言葉から初めて聞く言葉まで、慣用句辞典に載っているに関することわざだけでも、とても多く存在します。

"江戸いろはかるた"の「犬も歩けば棒に当たる」という有名な言葉も、当時と現在では若干意味が変わってきました。
本来は、棒=叩くなので、出しゃばる(歩く)と災難に合うという戒めの意味でしたが、最近の解釈は、出歩くと思わず幸運に当たるというポジティブな意味で使われることもあります。
もちろん、どちらが正解とかはないですが、子供に教えるときは困りますね。

犬とは関係ないですが、間違って(勘違いで)使われていることわざも多いです。

例えば、有名なところだと、『情けは人のためならず』は、本来の意味は、人のために良いことをすると回って良いことがあるという意味です。
また、『馬子にも衣装』の馬子は孫ではなく、『灯台下暗し(とうだいもとくらし)』の灯台は、海の灯台ではなく、ろうそくを立てる燭台のことをいいます。

とてもためになることわざや慣用句、後世に正しく伝えることも私たちの使命ですね。

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