
人の記憶力は、学習能力や知能指数と概ね比例すると言われています。
言い換えれば、記憶力がいい人は頭のいい人ということになります。
では、犬の場合はどうでしょうか?
よく実家で飼っている犬に1年ぶりに会うとしっぽを振って大喜びしてくれた、ということを耳にしますが本当でしょうか?
それだけの記憶力のある犬は、果たしていったいどれくらいの能力があるのでしょう?
謎が多かった犬の学習能力や記憶力も近年の研究で少しずつ分かってきました。
犬の記憶の、人と違う特徴や疑問、記憶や学習能力のメカニズムなどを深掘りします。
犬の脳のメカニズム
犬種や個体差やによって違いますが、犬の知能は、人間の2歳児から3歳児ということが知られています。
大好きな飼い主さんのニオイなどや、「お手」「おかわり」などの簡単なしつけやは、犬が記憶しているからできるわけです。
メカニズムから、野生のころからの習性と思われる、犬特有の記憶のタイプを紹介します。
記憶は尾状核に関係している
脳の中心部分にある尾状核(びじょうかく)は、大部分の動物にある部位で、学習能力や記憶に深くかかわっていると言われています。
尾状核と海馬は、左右対称に2つ存在していて、最近の研究では、快楽や興奮状態で出るといわれるドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質のうち、ドーパミンを受け取るドーパミン受容体が密集していることが分かりました。
ドーパミンが出る状態というのは、幸福感が増えるという意味です。
ポジティブな状態にあるとき、なにか期待したり願望すると行動が活発になることを覚えているので、ドーパミン出るということです。
また、記憶には、短期記憶と長期記憶(連想記憶ともいう)があります。
短期記憶とは、遊んでいて隠されたおもちゃを探すときなどに、さっき隠した記憶のように、生きていくうえで必要なく10秒ほどで忘れてしまい長く残らない記憶です。
長期記憶とは、繰り返されて覚えた「お手」などの行動や、以前嗅いだニオイで昔の記憶を思い出す(連想する)などの記憶です。
犬が覚えやすい記憶
犬は、野生時代から生きるために必要なことを最優先として生活していました。
そのため、記憶に関しても、野生のころから備わっていると言われるいろいろな記憶能力があります。
- いい記憶は長く覚えている
野生時代には、美味しい獲物があった場所を記憶しておく能力が優れていて、今もその能力が長けていると言われています。 - 嫌なことはすぐに覚える
野生時代の嫌なことは、危険な目に合った場所や相手のことです。それ故に、回避するためそれらを覚えることは重要でした。
現在でも、嫌な思いをした場所や恐怖体験は長く強く記憶に残っています。 - 嬉しい単語は簡単に覚える
脳のメカニズムで説明しましたが、「ごはん」「おやつ」「散歩」などの良いことがあった記憶の言葉は、楽しいことがあると思うと出る「ドーパミン」という物質が、犬自身のやる気を出すためだと言われています。 - ニオイの記憶は強く残っている
ニオイの記憶は、上記で紹介した「良い体験」「嫌な体験」のいずれにも関係していて、ニオイを嗅ぐことで過去のことを思い出すケースが多いそうです。
例えば、ボールという単語に対しても、「柔らかいボール」「硬いボール」「大きいボール」「小さいボール」など質感や大きさの違うボールまで理解できるそうです。
これは、人間でいうと3歳児相当の知能と同等と言われています。
トリビア的な犬の記憶あれこれ
犬ならではの、どうでもいいことから、知っているとためになるかもしれないことまで、記憶に関するトリビア的な豆知識を紹介します。
- 犬の嫌な記憶を変えることができる
嫌いな場所や悪い記憶は、例えばその場所でおやつを与え、そこへ行けば美味しいおやつがもらえると記憶させることで、嫌だった記憶を払しょくすることができます。 - 犬は長い文章は単語として記憶している
犬の記憶は複数の単語を理解できます。
例えば、「ママにボールを持ってきて」という言葉は、「ママ」「ボール」「持ってきて」の言葉の組み合わせを理解して行動しています。 - 記憶しやすい時期がある
しつけも子犬(パピー)期に覚えやすいと言われるように、その時期は好奇心しかなく体験したことをすべて吸収するためです。
それ以降でも、しつけや記憶はできますが警戒心が強くなるため時間がかかると言われています。 - 犬の記憶能力は加齢とともに低下する
記憶は、脳の引き出しの中にあります。
年を取るとどこにしまったのか、忘れてしまったり取り出すまで時間がかかったりしてしまいます。 - 犬は体内時計と環境で時間を記憶する
犬は、時計をみることはしません。犬自身の体内時計と、いつもの生活環境を記憶していることでだいたいの時間が分かります。
いつもの行事、例えば新聞配達時間や家族の帰宅時間などからご飯の時間や散歩時間を判断します。 - 犬は住んでいる場所を記憶している
遠い距離を帰ってくるニュースが時々ありますが、その仕組みはまだ解明されていません。
解明されているのは、近所の散歩コースだと、ニオイやマーキングを頼りにを頼りに帰ってくることができるということです。 - 犬は飼い主や家族の事はずっと記憶している
これは、長期記憶と関係していて、楽しい過去の記憶が楽しければ簡単に思い出すことができ、長い間良好な関係を築いた人のことはずっと記憶されているとアメリカの研究機関でも発表されています。
逆にいうと、再会すれば簡単に思い出しますが離れている間はその記憶がない(忘れている)ということです。
犬の記憶力がよくなるおもちゃ(知育玩具)のクチコミレビュー

犬の記憶力は、繰り返す訓練によって上達します。
人気の定番グッズから、長く続けられる訓練に役に立つグッズを紹介します。
なお、ニオイを嗅ぐ、探す、見つけるなどを疑似体験する行為は、散歩に行けない時などの、愛犬のストレス解消にも役に立ちます。
私が使ったことのあるおもちゃをレビューも添えて紹介します。
Kong(コング) 犬用おもちゃ
おやつボール
ALANSNOW 犬猫おもちゃ食器
Petneces 遊びながらの嗅覚訓練
- 犬おもちゃ 嗅覚訓練 ストレス解消 餌マット 分離不安
それは、犬種だったり個体差だったりさまざまです。
急に難易度の高いグッズを与える時は、難しすぎてすぐに飽きることがあるので注意が必要です。
定番の知育玩具にしても、常時使っていると多くの犬もさすがに飽きます。
もしも飽きてしまった場合でも、しばらく時間をおくと新鮮な気分になりまた遊びだしますので、ローテーションを心掛けて、くれぐれも安易に捨てないで下さい。
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愛犬の記憶力のエピソード
ツイッターによる皆様の、犬の記憶に関する知識や体験談をまとめました。
犬って記憶力良いから一緒の時間は覚えていてくれると思う
リセットはしないよ!
こっちの実家のワンちゃんたまに戻っても覚えててくれてるぅ(U´・ェ・)— さまんさー (@kabao221) 2019年3月13日
犬の記憶力、特に命の存続に関わることは抜群。
今朝は水筒を忘れたのでその旨をお伝えするとだまって歩き出し、で、お止まりになったところが自販機前。ええ、ええ、買いますとも(^-^)
犬は常に学習してますね👍チーは📸よりもはーやーくと喉乾いたストレスサインです、ごめん😅 pic.twitter.com/LaT8eBGIkr— へちまこ7 (@Chicoli07) 2018年8月5日
もう何年になるんだろ
ちゃこのことを可愛がってくれた人が引っ越してその隣に住む同じくらいの年齢の方が気になって散歩どころではない子
大好きだったもんねー
犬の記憶力なめんなよって話だよねー pic.twitter.com/wh3tw3ANVj— 柴犬 ちゃこ (@w_PoP_w) 2017年10月8日
昨晩、弟が実家に帰ってきました。
1年3ヶ月ぶりだったのに、蘭は嬉しそうにシッポをピュンピュン振ってお出迎え💕😆ノシ
犬の記憶力のすごさと、嬉しい感情をこんなに素直に表現できる純粋さを尊敬しちゃったよ🌟さあ今日も
蘭ちゃんのためならエンヤコラ✊ pic.twitter.com/FqVfa2iG2D— らん&おうか (@sakurakashii) 2017年8月26日
犬の記憶力(短期記憶)は、10~20秒程度しかもたないという。もし犬がトイレに失敗をしてしまった場合、5分後に叱っても犬には何のことか関連付けることができないため、その場で叱ったり褒めたりしないとしつけにならないそう。 #有益なことをつぶやこう
— 発想トイレ (@hassotoilet) 2013年2月12日
犬の記憶力に連想記憶というものがあります。飼っていた犬が子犬の時に庭の物干し竿を誤って落としてしまったことがあったのですがよほど怖かったのか大人になっても物干し竿を触っただけで、一目散に逃げるようになりました。物干し竿=怖いと記憶してしまったようです。
— ましゃ@ペット犬まめ知識 (@mashagmail) 2019年3月13日
それは間違いです。犬は本能的に第6感が発達してます。カラスと同じ位、一度恐怖感(人間で言ういじめ)いだけば記憶力は抜群です。犬は匂い、カラスは視力で相手を記憶、人間の感覚の好き嫌いで判別、僅かな恐怖感=嫌いで所謂敵と判別し吠えます。単純なだけです。
— pick_Bea (@WycN3) 2019年3月14日
犬と違って猫は実験に協力してくれないので知能が測れないらしい。ただ長期記憶力は猫の方が優れている(単独行動なので自分で覚えないといけない)とか。確かにしつこい...。 https://t.co/Rl5myQA30n
— Fukuya北欧ヴィンテージ (@Fukuya_20CMD) 2018年7月27日
さいごに一言
犬の記憶力に関しては、犬種によってタイプが違うのもあり、すべてが解明されていないのが現状です。
ただ、飼っていると愛犬の記憶力をを知ることは大切なことです。
そして、知ることで記憶力を伸ばすことも充分可能です。
記憶力を知ることは、犬を嫌いな人とあった時にも役に立ちます。
また、記憶を使うゲームが老犬のボケ防止にも有効です。
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