犬の老化現象と老化シグナル~寿命を左右する老化サインの発見法

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犬を飼うと避けては通れない、愛犬が老後になったあとの生活。
犬も人間と同じように、体が衰えていくと、体のあちこちにガタがきます。
そのガタが、老化のシグナルだったり病気の兆候だったりすることがあります。

老化現象にどう対応できれば長生きにつながるのか?
また、飼い主さんが早めに気が付いてあげることによって、老化を遅らせることができるかもしれません。
そんな見た目や仕草でわかる老化のサインなどをわかりやすく解説します。

避けられない老化と寿命

犬は、7歳くらいからシニア犬と呼ばれ、フードやおやつも区別されます。
犬種や大きさによってシニア犬の基準は大きく変わりますが、おおよそ寿命の半分に達するころからが、シニア犬とされています。

シニア犬の年齢にさしかかると、おのずと新陳代謝が減り、筋力や神経機能も徐々に衰えていきます。
そうなると、病気にもかかりやすくなりますし、いままで当たり前だった行動ができなくなってきます。
そういった老化のシグナルをいち早く察知するためには、日々の行動の観察やニオイや見た目の変化などのチェックを欠かさないことです。

 

老化はいつから始まるのか?


犬に限らずですが、哺乳類は、若年期から成長が止まる性成熟を迎え、成熟期になります。
成熟期を経過するとともに、人間でいう、中年(40歳)ほどから徐々にに高齢期(シニア期)になっていきます。

シニア期は、大きく分けて前期中期後期にわかれます。
老化の初期症状は、40代辺りから徐々にあらわれると言われています。

 

生後年齢小・中 型 犬 大 型 犬  成長過程 
1ヶ月半年半年徐々に離乳食が始まる時期
2ヶ月2才1才
3か月5才3才離乳食から一般フードに切り替わる時期
1才16才12才小・中型犬は生後10ヶ月ほどで成長が止まる
ヒート、マウンティングが始まる
1才半20才16才大型犬の成長が止まる
2才24才19才
3才28才26才
4才32才33才
5才36才40才大型犬のシニア前期
6才40才47才小・中型犬のシニア前期
7才44才54才
8才48才61才大型犬のシニア中期
9才52才68才
10才56才75才大型犬のシニア後期
11才60才82才小・中型犬のシニア中期、大型犬の平均的な寿命
12才64才89才
13才68才96才
14才72才103才小・中型犬のシニア後期、中型犬の平均的な寿命
15才76才110才
16才80才117才小型犬の平均的な寿命
17才84才124才
18才88才131才
19才92才138才
20才96才145才
29才ギネスブック公認の世界高齢犬、実年齢29歳5ヶ月、オーストラリアン・キャトル・ドッグ

太字がシニア期

成熟期(成犬)時代~人間だと18歳以降

┗活気にあふれ一番元気な年代です。

シニア前期時代~人間だと40歳以降

┗徐々に老化現象がみられる年代です。

シニア中期時代~人間だと60歳以降

┗体が徐々に衰えていき、病気にもかかりやすくなる年代です。

シニア後期時代~人間だと70歳以降

┗歩行困難になったりして介護が必要になる年代です。

 

※小・中型犬は、生後2才からは1年で4才ずつ、大型犬は1年で7才ずつ加齢しています。

※小型犬と中型犬を一緒に表示しましたが中型犬は犬種によりバラツキが大きいです。

ギネスブック公式

 

老化シグナルの発見は飼い主さんの責務

シニア期は、人生(犬生)の折り返し地点です。
シニアになってからも元気に生活できるようにするには、飼い主さんの常日頃の愛犬のチェックが欠かせません。

散歩中のふとした仕草だったりや普段のニオイ、見た目の変化は、気にしていると割と容易に感じることができる変化です。
愛犬が老後もできるだけ元気に過ごせるように、寿命を左右する老後や病気のサインは早めに気が付いてあげましょう。

 

仕草で発見できる老化のシグナル


老化シグナルは、シニア期になると徐々に出てきます。
動きや仕草などが今までと違ってきたら、それは老化のサインかもしれません。

寝る時間が増えてくる

成犬になった犬の平均睡眠時間は、一日12時間ほどです。
シニア期になると、体力の低下で疲れやすくなり昼寝する時間が増えると言われています。
また、年をとることで好奇心が薄れて、なにかをしようという意欲がなくなってきたり、頭の回転が鈍ることが昼寝が増える一因とも。

 

呼びかけても反応が鈍くなる

シニア期になると、徐々に聴力が衰えます。
特に、低音を聞き取る聴力が落ちてきて反応しなくなるそうです。
今まで気にしていた外の音に鈍感になってきたり、家族が帰宅したことに気が付かなくなってくる場合も。
病気で難聴になることもあるので定期健診を欠かさずに。

 

散歩中に座り込むようになる

筋肉量が落ちたことによる体力の低下が一番の原因です。
シニア中期になると関節の痛みなどで歩くのを嫌がって座ってしますこともあります。
また、ゼイゼイと苦しそうに呼吸している場合は、循環器や呼吸器の病気を疑うべきです。

 

走りたい意欲がなくなる

以前は、散歩中に知り合いの犬に会うと、近づくまでグイグイとリードを引っ張っていたのに、シニア期になると、そういった行動をしなくなります。
これは、加齢による、体力の低下とともに、早く近づきたいと思う好奇心が薄れることが要因と言われています。

 

おもちゃで遊ばなくなる

成熟期までは、おもちゃを見ると、嬉しいと思う気持ちを全身で表していたのに、シニア期になると、すっかり興味を失せたり、喜びも少なくなります。
これは、頭の回転が遅くなり好奇心が薄れることではしゃがなくなると言われています。
また、心では喜んでいても体力の低下により、全身で表現できなくなることが一因とも。

 

よくぶつかるようになる

老化による視力の低下により、シニア期中期になると、普段歩いている自宅でも、家具や扉、窓ガラスなどに気が付かなくてぶつかるようになります。
白内障や緑内障の病気の場合もあるので、早めに病院で獣医師さんの指示を仰ぎましょう。

 

ご飯の食べなくなる/スピードが遅くなる

シニア期になると、代謝が減るので食欲も減りますし、食欲が減ると食べるスピードも遅くなります。
老化現象のひとつですが、まったく食欲がなくなる場合は、獣医師さんの指示を仰ぎましょう。
>血液検査などで食欲不振の原因がわかるかもしれません。
逆に食べる量が変わらないのに、体重が落ちるようだと病気のサインかもしれません。

 

下痢や便秘がちになる

シニア期になると、消化吸収能力が落ちるので、以前が普通に食べていたものを食べると、下痢になったり便秘になったりします。
一過性の下痢や便秘は老化現象のひとつですが、3日ほど続くようなら病気の疑いもあります。

 

見た目やニオイに現れる老化のサイン


体の見た目やニオイからわかるサインは、日ごろのブラッシングや歯磨きなどのお手入れやマッサージなどで観察するクセを付けておくと気がつきやすくなります。

毛の色が薄くなる/白髪が生えてくる

毛に色を与えているのはメラニン色素です。色素細胞の機能が衰えると、毛が白くなります。
始めは、顔の辺りの白髪が目立つようになり、徐々に全身に広がっていきます。

 

体臭がきつくなってくる

加齢によって新陳代謝が衰えることにより、皮膚に皮脂が溜まっていき、それが酸化することで、俗に言う加齢臭が強くなります。
また、ホルモン系の病気や細菌に感染した皮膚病でも、強く臭うことがあります。

 

歯が黄ばんでくる/口臭が強くなる

歯に歯垢や歯石が蓄積して黄ばんできます。
犬は、モノを噛むことで唾液を出し、歯垢の付着予防や菌の繁殖を防いで口臭予防にもなっています。
しかし、年齢とともに唾液の調整が上手くいかなくなると、歯が黄ばんできて口臭がひどくなります。
歯周病の恐れもあるので、かかりつけの病院で診察を。

 

目が白っぽく濁ってくる

動物は、加齢によって目のレンズの部分、水晶体の中心が固くなります。
これは、核硬化症といって硬化した水晶体に光が当たると濁って見える症状で、視力にはまったく影響がありません。
視力が低下する、白内障と症状がよく似ているので、目が白く見えたら、念のために早めに病院で獣医師さんの指示を仰ぎましょう。

 

フケが出る/皮膚がかさついてくる

シニア期になると、体内の水分を保とうとする皮膚の機能が衰えます。
衰えることによって、皮膚が乾燥してはがれて、フケとして出てきます。
感染症も、よく似た症状なので、急にフケが増えた場合は、念のためにかかりつけの病院で診察を。

 

肉球がカサカサになる

加齢によって、保湿機能が低下することにより、うるおいを保てなくなり、表面が乾燥してカサカサになり、弾力性も低下します。
ひどくなると、ひび割れて痛がったりすることもあります。
予防策は、散歩の前後の保湿クリームでのお手入れが有効です。

 

皮膚にシミができてくる

皮膚の新陳代謝が落ちる老化現象によって、シミの元となる色素が体内に沈着することによりシミができます。
普通におこる老化現象なので寿命には影響はありません。

 

腰や後ろ足が細くなる

シニアも後半になると、散歩など運動することを嫌がるようになります。
運動をしないと、筋肉量が急に落ちてきます。特に腰やお尻周りと後ろ足の衰えが顕著にあらわれ歩けなくなる恐れも。
そうなる前までに無理のない範囲での運動が、衰えの防止につながります。

 

シニア犬になる前にできること


明るい未来のために元気な若いころから習慣づけたり、老後に対して気をつけることなどは沢山あると思います。
ここで紹介することは、当たり前だけどとても大切なことです。

体重管理と毎日の適度な運動

肥満は、万病のもとです。フードの量と運動で簡単に予防できます。
肥満は、運動不足に直結し体の負担が増えるだけでなく、病気の要因にもなります。
筋肉量を減らさないことが足腰の衰えの防止にも繋がります。
特別な事ではなく、毎日2度の適正時間の散歩だけで十分です。

【参考記事】
愛犬の正しい散歩の量とは?~犬によって違う最適な散歩量を知ろう

 

定期健診の徹底

かかりつけの動物病院で、健診を定期的に受けておくと、見た目ではわからない内部の変化を確認できます。
また、検査でしかかわからない病気を早期発見することも可能になります。
病気の早期発見は、寿命を延ばすことに繋がります。

 

家の中の段差

年を取ると、骨密度が低くなる傾向があります。
骨粗しょう症になると、骨がもろくなり骨折しやすくなります。
若い時は普通に飛び乗ったり下りたりしたソファーなども、シニア期になると注意が必要になります。
段差を軽減させる階段やスロープなど、怪我を防止する策も重要に。

 

避妊・去勢手術

繁殖を終えたり、予定がなくなったら、生殖器系の病気予防のために、避妊・去勢手術もありかと思います。
シニア期になった後だと、体力がなくなり手術に耐えられなくなる恐れもあります。

 

脳機能の活性化

最近は、犬の高齢化にともなって、認知症も大きな問題になってきています。
症状は、人間とほぼ同じで介護が大変になります。
予防方法は、脳を活性化することが最も重要だとわかってきました。

例えば覚えている芸を一通り何回か行ったり、ゲーム系の宝探しなどの遊びが脳の刺激になって予防に繋がります。
また、動物病院によっては、脳を活性化されるサプリを処方してくれるところもあります。

 

ペット保険への加入

シニア期になると、病院にかかる件数も増えてきて、治療費もばかにならなくなってきます。
また、ガンや心臓病など、とても高額な治療費が必要な場合もあるかもしれません。
老犬になってから入れるペット保険もありますが、若いうちから加入して備えておくと安心かと思います。

 

さいごに一言

愛犬のためには、健康で長生きしてほしいとだれもが思います。
愛犬の老後を楽しいものにしてあげれるのも飼い主さんだけです。
シニア犬になってから心掛けることも大事ですが、若いうちから老いに負けない体をつくることや老後に備えることが長生きには大切なことだと思います。

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参考にした書籍
犬の病気がよくわかる本-講談社
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