
今回は、もうすっかり老犬になったフレブルのスーちゃんの飼育してから現在(13歳)までの紆余曲折ある、リアルな体験談をご紹介します。
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誰しも目を細めて笑顔になるような可愛い子犬ですら、当然ですが成犬になります。
犬を飼う前は、その可愛さのあまり、「可愛い!」「飼いたい!」という勢いだけですが、年々老いていくワンちゃんを変わらず愛して欲しいとの思いで書いてみました。
ワンちゃんは言葉を話せません。
それ故にこちらも、気をつけて日々愛情をもって接していないと、些細な変化に気づけません。
実際うちもそうでしたし、大変胸を痛めた経験があるので、そのことも含めてお伝えします。
出会い~現在、ペットショップで出会ったフレブルの女の子

生後4ヶ月の時に、フレンチブルドッグの女の子と、あるペットショップで目が合いました。
後に我が家の家族になる、フレンチブルドッグの女の子、スーちゃんです。
月日が流れるのは早いもので、スーちゃんも現在は13歳になりました。
スーちゃんの、最近の1日といえば、朝は家族の中の誰よりも遅く起床。
大体8時半ころ、一番下の子供の事や洗濯など慌ただしくしている時間に、扉をカリカリと、鳴らす音が聞こえてきます。
そこからまたソファーへ移動して、再び睡眠。
日中起きている間は、何やら窓の外を寝そべりながらじっと見つめては、通りかかる猫や犬がいないか番犬のつもりで見張っています。
こちらとしては番はしてもらわなくても、全く構わないのですが、それがスーちゃんの生き甲斐なので、我が家の警備はスーちゃんにお任せしています。
普段の生活では全く吠えないスーちゃんですが、何かが通ると突然けたたましい声で鳴きますが、我が家にはいつもの光景です。
シニア期になって患った椎間板ヘルニア
若い頃のスーちゃんは本当によく走り回り、ボール遊びをして、女の子なんです。
まさにやんちゃ坊主(女子ですが)とはスーちゃんの事でした。
特にフレンチブルドッグの特徴なのですが、嬉しくてピョンピョン飛んだり、猫を追いかけて木の上に追い詰めて飛んだり、とにかくピョンピョン跳ねていたんです。
そんなある日スーちゃんの様子がおかしい。
大好きな散歩にも行きたがらない。
庭に出すとたったままおしっこをするのです。
病院につれていったのですが、下痢止めの注射を打たれ帰宅。
その夜でした。
ガァガァと激しい息遣いで、今にも呼吸が止まりそうな気管支の音がしました。
それと同時に足はぴーんと伸びたまま。
私達はパニックになり泣いてスーちゃんの名前を叫びました。
すぐに夜間の救急病院へ駆け込みました。
そこで告げられたのが、椎間板ヘルニアです。
先生からは矢継ぎ早に質問や注意を受けショックを受けました。
まさかでした。私達は町医者に行っていたこともあり、安心してしまっていたのです。
衝撃の一言で目の前が真っ白になりました。
命の危機から奇跡の復活劇
夜間の救急病院では手術は受けられないので、翌朝を待ち、紹介状をもらい、ヘルニアの名医がいるという病院へ車で1時間半ほどかけて行きました。
「手術が必要?」
「命に関わる?」
そんな
まさか
狼狽し泣きながら、病院までの道のりを運転し続けました。
病院へ着きすぐに先生に診察してもらいました。
「今日の午後に緊急手術をします。」
「状態はかなり悪いです。」
「上手くいって車イスでの生活ができると思いますが、最悪の場合、呼吸がとまります。」
「ご家族の方には、また連絡しますので、4日ほど入院します。」
最後にこう言われ病院を後にしました。
先生に衝撃的な言葉を次々に言われ帰りの車の中はみんな泣いていました。
「あのときもっと早く大きな病院へ連れていったら」
「あの時散歩なんて行かなければ」
まさに後悔先に立たずの心境でした。
そして、言葉の話せないスーちゃんに対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
この世からいなくなるかもなんて考えただけで、辛かったです。
家族全員がお通夜のような暮らしをし、四日経ち病院へ。
出迎えてくれた先生が「僕も奇跡を見ました。」と。
その後ろからスーちゃんが足を引きずりながら嬉しそうに私達のところへ歩いてきたのです。
先生がおっしゃいました。「僕は何千回とヘルニアの手術をしたんですが、こんな回復を初めて見ましたよ。」と。
おばあちゃん犬になっても元気な日々

あの奇跡の復活劇から更に五年。
今ではすっかりとおばあちゃんになりました。
その後ヘルニアが再発する事もなく、幸い大きな病気もその後はなくのびのびと暮らしてきたスーちゃん。
ヘルニアの一件があってから、益々と可愛くなりました。
毎日毎日、今日1日スーちゃんが歩いていられる事に、感謝でいっぱいてした。
ヘルニアの退院と同時に少し太り気味だったので、食事でコントロールしてダイエットもしました。
スーちゃんはワンちゃんで言葉が話せません。
あの時「腰がなんか痛いんだ!」と言葉で伝えてくれたらどれほど良かったかと何度も思っていました。
けど、ある時から、こう思うようになりました。
決して言葉が通じなくても、「普段からもっと気をつけてケアしていれば微妙な変化に自分でも気づけたんではないか?」と。
それからは、毎朝スーちゃんとお話しをするのが一つ自分の中で、増えた日課です。
「今日はどう?」
「元気かな?」
起きてる日中には、「一緒に遊ぼうよ!」と、声をかけています。
もうすっかりおばあちゃん犬になったスーちゃん。
まだまだスーちゃんとはこれからも一緒にいたいです。
これからも病気にならないために、なったときのために、きちんと健康状態は把握しておかないといけないなと思っています。
この記事の提供者は、中部地区在住の育児中の主婦のT.Aさんです。
どうもありがとうございました。