
最近多く見かけるようになったミックス犬(MIX)。
世界中でいろいろな呼び方があります。
- 雑種
- ミックス犬(MIX犬)
- ハーフ犬
- ハイブリッド犬
- デザイン犬
- F1雑種犬(一代交配犬)
- クロスブリード犬
- 二重純血犬種
代表的なところでもこれだけの呼び方があります。
そんなミックス犬を飼う場合に、純血種との違いやメリットやデメリットはあるのでしょうか?
欧米でも人気がある定番の交配から、日本でも珍しい組み合わせの犬まで、さまざまなミックス犬が存在します。
今回は、そんな人気のミックス犬のなかでも、珍しい犬種でなく、居そうなのにあまり見かけないような組み合わせのミックス犬を中心に紹介します。
ミックス犬とはどんな犬?

飼い犬の種類を分ける手段のひとつとして、血統犬種といわれる純血種同士で引き継がれている犬種か、雑種といわれる種類の2つに分けることができます。
そして、その雑種のなかでもミックス犬とは、別の種類の純血種犬同士から生まれた犬のことを言います。
ほとんどが、代々の子孫繁栄を目指す交配ではなく、人為的に交配させる一代だけの場合が多いです。
そもそもミックス犬は血統犬種ではないので、本来は純血種に必要な犬種基準(スタンダード)もありません。
ほぼ世界共通で、日本でも、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)で登録されている約200犬種全犬種で、単純な大きさだけでなく、鼻の先から目の色、尻尾まで細かく分類されその犬種の色や形が厳しく決められています。
ミックス犬のメリットとデメリットと問題点
ミックス犬のメリットとデメリットを考えてみましょう。
簡単に分けるとするならば、単純なメリットは、世界でほほ一匹だけの見た目になりやすいことがあげられます。
そしてデメリットは、子犬から飼っていても、純血種のように大人になった姿が想像できないことです。
また、当たり前ですが、血統証明書が発行されませんので、ドッグショーなどに登録することができません。
ミックス犬のメリットは雑種強勢で良いとこ取りになる?
血統書がある犬は、昔の近親交配による影響などで、遺伝性や先天性の疾患が起こる確率が高い犬種もあります。
その点、ミックス犬は、両親の「良いとこ取り」になりやすいので病気にもなりにくく、しつけやすく健康に育つといわれています。
果たして本当でしょうか?
ミックス犬には、両親のいずれの系統よりも優れる現象『雑種強勢』が存在します。
これは、犬に限らず、植物でも人間などの哺乳類でも遺伝子レベルで認められている現象です。
誤解を恐れずに書くと、日本人と黒人の両親から生まれたハーフの方々がスポーツで活躍しているのも、雑種強勢によるものだという意見も多くあります。
ちなみに反対の意味は、『近交弱勢』という、親同士が遺伝的に近いと子供が弱い遺伝子を引き継ぐようになることです。
この犬の『雑種強勢』については、1965年にアメリカの動物学者によって、純犬種のバセンジーとコッカーのミックス犬を比較する研究結果が発表されています。
それによると、親である純犬種よりも、ミックス犬のほうが生存率が5%長かったそうです。
この長くなった要因は、『雑種強勢』であると、その研究では結論付けられています。
また、別の研究レポートによると、気性の荒い代表格であるピットブルの純血種と、とても頭が良く自分で判断して行動するボーダーコリーという性格が真逆の犬を交配させた場合の子供は、ピットブルよりも気性が穏やかになり、命令をしてからでしか行動をしなくなったそうです。簡単にいうと両方の犬の中間の性格になったのです。
このことからも、他犬種同士の交配は、遺伝子的にもよくなり、強くて丈夫な子供が生まれることになります。
それが、ミックス犬(雑種)は病気にもなりにくく、しつけやすく健康に育つといわれている所以だと思います。
ミックス犬のデメリットや問題点はブリーダー次第?
すべてが良さそうに思えるミックス犬ですが、全面的に安心かといわれると、そうではない場合もあると聞きます。
まず血統犬種は、血統書を発行する際にも犬種標準があり、近親交配(インブリード)を厳しく制限されています。
その点、ミックス犬を販売する場合、売る側もそういった血統書が根本的には必要ありません。
お金儲けだけを考えて交配させようと思えば、
近親交配の子供は、『近交弱勢』ですので、本来は交配させてはいけない危険なものです。
しかし悪質なブリーダーなどは、売れることを一番に考えるようです。
その近親交配で小さくした子犬が売れなくても、ミックス犬用の繁殖に使うわけです。
そういった犬から生まれた子は、たとえ今は健康そうでも、遺伝子疾患などでいつ病気が発病するかもわかりませんし、問題行動や攻撃行動をとりやすいなどの問題も多く聞きます。
最近はミックス犬も流行っていてペットショップでもよく見かけますが、普通のブリーダーはあまりミックス犬として交配することはありません。
しかし需要もあるので、なかには、まっとうなブリーダーさんが供給する場合もありますし、そんな場合も、ほとんどが危険な交配を避けていると思っています。
一部だろうと思われる、
また、血統犬種は成長するにつれどんな成犬になるのかがたくさんのサンプルもあり容易に予想できます。
しかし、ミックス犬の場合は、子供のころ(パピー期)にいくら見た目がかわいくても、成犬になったときの予測が難しいです。
色合いや毛質もそうですが、そのままの姿のまま大きくなることはとても稀です。
これに関しては、メリットかデメリットは、飼い主次第といえそうです。
珍しい組み合わせのミックス犬
ジャパンケネルクラブ(JKC)には、2019年の犬種別犬籍登録頭数の欄に142犬種が登録されています。
単純計算で、それだけの犬種の組み合わせが可能だということです。
実際には大きさの関係で困難ですが…。
ここでは、人気のメジャーなミックス犬ではなく、あまり見かけない珍しい組み合わせのミックス犬を30種類以上紹介します。
プー狆、狆プー(狆とトイプードルのミックス犬)
マルジャック(マルチーズとジャックラッセルテリアのミックス犬)
チワグレ(チワワとイタグレ[イタリアングレーハウンド]のミックス犬)
シュナーギー(M・シュナウザーとコーギーのミックス犬)
シュナブル(M・シュナウザーとフレンチブルドックのミックス犬)
フレブルコーギー(フレンチブルドックとコーギーのミックス犬)
シュナピン(M・シュナウザーとM・ピンシャーのミックス犬)
シュナパピ(M・シュナウザーとパピヨンのミックス犬)
チワジャック(チワワとジャックラッセルテリアのミックス犬)
チワビション(チワワとビションフリーゼのミックス犬)
ノーフォークダックス(ノーフォークテリアとダックスフントのミックス犬)
チワグル(チワワとビーグルのミックス犬)
ポンスキー(ポメラニアンとシベリアンハスキーのミックス犬)
フルーグ(フレンチブルドッグとパグのミックス犬)
日本犬種との組み合わせのミックス犬
柴犬など昔ながらの日本犬の血を半分受け継ぐミックス犬です。
柴プー(柴犬とトイプードルのミックス)
柴プーわず pic.twitter.com/1YbCVW5qXt
— 雨雪霰 (@mkt918kfa) 2013年8月7日
柴チワ(柴犬とチワワのミックス)
『まて』のときに舌がでちゃうの。#柴チワ #柴犬 #チワワ#柴犬の日 pic.twitter.com/oEmkeyd0Dd
— 柴チワななこ (@siba_chiwa_nana) 2019年4月8日
シバックス、柴ックス(柴犬とダックスフントのミックス)
犬の日らしいので
実家のシバックス(重量級) pic.twitter.com/lqaXzPnPm0— K7@日本一周中 (@HK7BP) 2018年11月1日
パグ柴(パグと柴犬のミックス)
シバーギー、柴ーギー(柴犬とコーギーのミックス犬)
このソファー、今日処分します😭
お気に入りだったけど、ボロボロになってしまったので(購入して3年ちょっとで😢)
ニコにオシッコされたり、💩されたり、ひじ掛け歯固めにされたり、ボタン引きちぎられたり・・・
たくさんの思い出をありがとう!
お疲れさまでした!#お気に入りのソファー pic.twitter.com/zywiPid3YS
— 柴ーギー:NICO (@NICO_48gi) 2019年4月17日
柴テリア(柴犬とヨークシャテリアのミックス)
柴シェパード(柴犬とシェパードのミックス犬)
甲斐テリア(甲斐犬とテリア系のミックス犬)
大型犬のミックス犬
欧米などでは普通に存在している大型犬のミックス犬やF1世代以降の雑種犬。
環境にもよると思いますが、日本ではなかなかお目にかかる機会は少ないですね。
ラブラドゥードル(ラブラドールレトリバーとスタンダードプードルのミックス犬)
ゴールデンドゥードル(ゴールデンレトリバーとスタンダードプードルのミックス犬)
ラブスキー(ラブラドール・レトリーバーとシベリアン・ハスキーのミックス犬)
チャウスキー(チャウチャウとシベリアン・ハスキーのミックス)
ピットラブ(アメリカン・ピット・ブル・テリアとラブラドール・レトリーバーのミックス犬)
ダルメシアンとのミックス犬
ダルメシアン系は、体の特徴が出やすいので割と判断がしやすいです。
ダルメシアンとのミックス犬は、日本では本当に少ないです。
ダルシバ、ダル柴(ダルメシアンと柴犬のミックス犬)
ダルラブ(ダルメシアンとラブラドールレトリーバーのミックス犬)
ダルメシアンとゴールデンレトリーバーのミックス犬
ももちゃん(うちのわんこ)(ダルメシアンとゴールデンのミックス) pic.twitter.com/VxxAujrizu
— i (@myanswer6002) 2015年10月5日
短頭首系のペチャ顔は引き継ぐ傾向が強い
短頭首とは、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、シーズー、パグ、狆、ペキニーズなど顔がペチャっと潰れた犬種です。
この犬種と、マズル(鼻先)が長い犬種との交配だと、割と短頭首系の顔になる傾向が強いようです。
シープー(シーズーとトイプードルのミックス)
チワズー(チワワとシーズーのミックス)
チワパグ(チワワとパグのミックス犬)
ダックス系の胴体犬は引き継ぐ傾向が強い
ダックスやコーギーなどの胴長短足犬が片親の場合は、そのまま胴長を引き継ぐ傾向が割と強いようです。
マルックス(マルチーズとダックスフントのミックス)
チワックス(チワワとダックスフントのミックス)
ダップー(ダックスフントとトイプードルのミックス)
さいごに一言
最近は、マルプー同士やマルプーとチワプーとの交配など、次の世代にも受け継がれつつあるミックス犬です。
飼ったことがない人は気が付きにくいこととして、ミックス犬は子犬の頃に成犬のイメージすることが難しいのです。
血統犬種のようにそのまま大きくなることは本当に稀で、大人になるにつれ、どんどん不細工になるかどんどん可愛くなるのかは神のみぞ知るところです。
また、珍しいパターンでのミックス犬になるほど、標準体重など比較する対象が少ないので、ゴハン(エサ)の量が難しく肥満になる率も高いといいます。
犬にも『ボディコンディションスコア』により5段階でチェックできます。
不安でしたら、かかりつけの先生に相談するといいと肥満具合がわかりますし、最近は動物病院にも体脂肪計が用意されていることが多いです。
雑種強勢で強くなったといっても、たったの5%なんて誤差の範囲でしかありません。
かかりやすい病気は、親を引き継ぐことも多いです。
どんな犬も適切の食事や散歩の量など、日々の健康管理が大切です。
最低でも、親の寿命以上は長生きできるように頑張りましょう!
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- ミックス犬に関しては、いろいろな意見があると思います。
当ブログは、ミックス犬の繁殖や購入を推奨するものではありません。
飼い主さんによる暮らしぶりや成犬になるまでの成長過程など、血統犬種とはまた違った、珍しい姿や可愛らしさを紹介するものです。