ペット保険会社の大手、『アイペット損害保険株式会社』さんから、今年も保険加入者からの保険請求が多い病気などのランキングが発表されました。
ランキングは、保険を請求された病気やケガのみで集計され3種類が発表されています。
3種類は『傷病(けがと病気)の10種類』と、手術した病名の請求金額5種類をそれぞれ『金額順』と『年齢別』で公表されています。
この中には、日ごろの観察やチェック、簡単なお手入れで十分防ぐことが可能な傷病があるかもしれません。
病気のサインを見逃したり、放置することによる病気の悪化で動物病院のお世話になるほど可哀想なこともありません。
簡単にできる愛犬への10のチェック
今回は、保険請求になる犬の病気で上位ランクしていた、皮膚炎や垂れ耳に多い外耳炎を中心に深掘りしてみました。
外耳炎はペットの保険金請求が多い傷病のランキングでも上位
『アイペット損害保険株式会社』さんが毎年発表しているランキングのなかでも注目のランキングのひとつである、「ペットの傷病ランキング2019」が今年も発表されました。
このランキングは2018年にアイペットに保険請求をした傷病の上位をランク付けしたものです。
サンプル数は、
【調査概要】
調査期間:2018年1月1日~12月31日
調査サンプル数:37,115件
調査方法:アイペットの保険金請求データを元にしたサンプル調査
となっています。
犬は、皮膚病と外耳炎が去年に引き続き上位を独占しました。
続いて、
こちらのランキングは手術したランキングです。
腫瘍が件数ではトップですが、骨折の手術金額が高額になっているのがわかります。
こちらのランキングも順位の若干の違いがあるものの、去年とトップ5は同じでした。
最後のランキングは、
年齢別で注目したいのは、パピーの頃は下痢が犬も猫も去年から不動なのと、皮膚炎と外耳炎は老犬に関係なくつねに発症することとがわかります。
犬の種類でかかりやすい病気を把握しておくことは飼い主の義務
現在は、動物病院へ行ったりや専門書などで調べなくてもネットで検索するだけで、愛犬の犬種がかかりやすい病気を把握することは容易いことです。
たとえば、もうひとつの大手ペット保険会社の『アニコム損保』では、毎年「アニコム家庭どうぶつ白書」を発行していて、犬種別に治療した病名の件数が簡単に検索できますし、その他膨大な有意義な情報が保険加入者以外でも簡単に閲覧ができるようになっています。
ランキングからみるシニア期に多くなる病気
このランキングで注目したいのは、シニア期(7歳以上)です。
シニア期は、人間でいうと40歳を超えた年齢で、気をつけないと病気になりやすい年齢です。
ほとんどの飼い主さんも、ペット保険はシニア以降に備えて加入しているといっても過言ではありません。
ランキングをみてみると、外耳炎や皮膚炎はシニア期になってからなる急になる病気というわけでもないのがわかります。
外耳炎や皮膚炎の件数自体はおそらく毎年あまり変わらないのだと思います。
逆に言うと、他の病気の件数が増えたのだと容易に想像できます。
(皮膚炎は犬種によってはシニア期になりやすくなります。)
そしてグラフをみてみると、パピー期からずっと共通しているのは、外耳炎だけです。
このランキングには、犬種別には分類されていませんが、外耳炎だけは、ほぼ垂れ耳の犬種です。
垂れ耳の犬種の飼い主さんは、常に外耳炎に注意が必要と言えます。
忖度なしの保険選び
くせになりやすい外耳炎を防ぐには早期発見が一番
外耳炎も耳の中におこる皮膚の炎症ですから皮膚炎の一種です。
治ったと思っても繰り返すことが多いです。
皮膚炎の場合は、そうならないために、飼い主さんの日ごろのケアがとても大事になります。
たとえば、飼い主さんが皮膚炎かも?と最初にわかる代表的なサインは、犬が痒がる仕草です。
外耳炎の予防方法
アレルギー性の外耳炎以外は、基本的には皮膚炎と同じ治療法や予防法になります。
病院では、原因を突き止めて、それに応じた治療になると思います。
その原因になるのは、基本的には、耳垢が溜まり、その耳垢に細菌やカビなどが繁殖し、それが炎症をおこすことで外耳炎なるといわれています。
特に垂れた耳の犬種は、耳の中の通気が悪くなりやすく、脂漏体質の犬(耳垢がベタベタ)や耳の穴に毛が多い犬は特に要注意です。
そうならないためには、定期的な耳掃除しかありません。
毎日だと皮膚を傷めることになる場合もあるので、3日に一度ほどとか週に2度、曜日を決めるなりすると忘れないようになります。
日ごろ注意するポイント
- よく足で耳をかく
- 首をよく振るようになる
- 耳の中がにおう
- 耳の中がきたない
こうなったら、すぐに耳掃除をするなり病院へ行くなり、早めの対応をして下さい。
皮膚炎の予防方法
皮膚炎は大きく分けると
- 感染症皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- 先天性皮膚炎
- 内分泌性皮膚炎
- 皮膚にできる腫瘍
- 免疫介在性皮膚炎
- 精神性皮膚炎
などにわけられます。
皮膚炎のなかでも、感染症皮膚炎とアレルギー性皮膚炎が圧倒的に多いです。
また、以前のブログ記事『2019年人気犬30種~犬種特有のなりやすい病気を犬種別に一挙紹介』の犬種別の疾患をみると、外耳炎や皮膚炎にかかりやすい犬種がわかります。
例えば、柴犬やダックスフントは、アトピー性皮膚炎かかりやすく、シュナウザーやパグも皮膚炎になりやすい犬種といえます。
とはいえ、皮膚炎はまんべんなくどの犬種にもなるうる可能性のある疾患です。
日ごろのケアは、清潔にすることが一番だと思います。
皮膚炎になってしまったら、その犬にあった治療をかかりつけ医と相談しながら進めましょう。
私が実践している外耳炎の予防策
我が家の犬も垂れ耳です。
ご多分に漏れず、若いころから外耳炎で何度も動物病院のお世話になっています。
おかげさまで、酷くなる前にとりあえずは完治するので、保険のお世話にはなったことはありません。
病院ではいつも決まって、耳の中の毛を抜いて、耳の中の洗浄して、そこに薬を塗ってもらい、小さな薬をもらい終わります。
金額も、そこまで高額になったことはありません。
いつもだいたい3000円ほどです。
(症状の違いで点耳薬の量が違っていた時に少し高くなる程度です。)
再診料 | 1回 | 700 | 700 |
---|---|---|---|
耳処置 | 1回 | 500 | 500 |
処方料 | 1 | 500 | 500 |
点耳薬(5ml) | 1本 | 1,200 | 1,200 |
小計 | 2,900円 |
処方してもらう点耳薬は、モメタオティックというステロイド系の塗り薬です。
一日一度、スポイトのような小さな容器から直接、化膿している耳に1~2滴を点耳するだけです。
大抵は、1週間ほどで臭いニオイもしなくなりしばらくは治っています。
そして、半年から1年ほど経ち忘れたころになると、耳を痒がったり少し臭うようになるとまた病院へ行くというパターンでした。
しかし、ある時、何気なくかかりつけの獣医師の先生に、予防方法を聞いたのをきっかけに、病院へ行くほど酷くなることがなくなりました。
その方法はとても簡単なことでした。
- 耳の毛を抜くことと、前兆があったら耳の洗浄剤をつかう
を実践しただけです。
愛犬の耳の毛を抜く方法
耳の毛は、私の場合は、高くはない人間用の毛抜きを使用して抜いています。
(犬の耳の中の気は、ほぼうぶ毛のような毛です)
抜いている間は、病院ではこの世の終わりのように泣き叫ぶのに、家だと静かにしています。
ちなみに気を遣う場所なので、もっと楽な方法をネットで検索していた時に、人間用の鼻毛カッターを使っている方を見かけました。
(怖いので私はしませんし、使ってケガをしても責任は取れません。)
犬や猫の耳の洗浄剤、イヤークリーナーを使い比べてみたレビュー
かかりつけの獣医師さんにも日ごろのケアが大事だと言われていますので愛犬の耳のケアは常にしています。
Amazonで『犬 イヤークリーナー』と検索すると上記の2本、ビルバック (Virbac) ベッツケアイヤークリーナーとノルバサンオチック2種類が上位に表示され人気あるのがわかります。
2つとも買って使用してみたので、私なりのレビューを紹介したいと思います。
使い方はほぼ一緒で、耳に流し込み、犬自身のブルブルで耳に流し込んだ液体を外に汚れと共に排出されます。
汚いと思ったら数回繰り返します。
【ビルバック (Virbac) ベッツケアイヤークリーナー】を実際使ってみた感想
原材料:(成分)塩化ナトリウム フェノキシエタノール シトラス抽出物 精製水
独断レビュー
使ってみた感想は、まず匂いがキツイです。
トイレで使うような芳香剤のニオイです。
それと、痒がるようになっているときに使うと、染みるのか嫌がるそぶりを見せます。
半分ほど使った時に、私のケアが悪かったのか、外耳炎になってしまい、そこからはこちらのイヤークリーナーは使っていません。
【ノルバサン オチック】を実際に使ってみた感想
原材料:ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリプロピレングリコール、イソプロピルアルコール、酢酸リナリル、FD&C blue#1、精製水
こちらに替えた理由は、ニオイがキツかったのと犬が痛がったこと、使ってみても外耳炎になってしまったので、うちの犬には合わないのかもと思ったことでした。
あと、かかりつけの病院でも観察してみると、こちらの洗浄剤を使っていたのも大きな理由でした。
こちらに替える前は、耳の毛を抜くことはしていませんでしたので、完全な比較はできませんが、こちらにしてからは耳に垂らしても痛がりません。
たまに耳の毛を抜き、前兆が少しでもあったら洗浄するようにしてしています。そして、一番大事なことですが、これに替えてから今のところ外耳炎にならなくなりました。
欠点は、ほかよりも値段が高いところでしょうか?
- あくまで個人的な感想です。
どちらにしても合う犬も合わない犬もあると思います。
さいごに一言
大手2社は、こういった資料を多く提供してくれるのでとても重宝しています。
犬や猫の飼育数はそれほどの変化はありませんが、ペット保険の加入数はどのペット保険会社も目覚ましい増加をしています。
ペットにも高度な医療が提供されつつあり、治療費が高額になるなどさまざまな理由があるでしょうが、私的には動物病院に通うことが当たり前になったのが大きいかと思います。
動物病院に通う習慣ができると、愛犬への病気の対策などを調べたりする興味も沸いてきます。
その興味が、病気の予防にも繋がる大事なことですよね。
ほとんどのペット保険会社は、1年間の掛け捨てです。
加入制限になるプランが多くなるシニア期までには、愛犬にあったプランに加入しておくべきだと考えます。
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